エンジニアが知っておくべき厚生年金保険と健康保険の話
はじめに
給料から天引きされる「厚生年金保険」と「健康保険」について解説したいと思います。給与明細を見ると毎月しっかり引かれてるのに、そういうもんなんだろうなぁと、あまり気にしたことがない人が多いんじゃないかなと思います。
僕もあまり気にして来なかったのですが、ふと給与明細を見た時に、
うわっ…私の給料、引かれすぎ…？
ということがありまして、どういう計算で算出されてるのかを調べてみた、となります。
ちなみに僕は今お給料（正確には標準報酬額なんですが）が50万の人相当の厚生年金保険と健康保険料を支払ってます。もちろんですが、そんなにもらってません。
＿人人人人人人人人人人人人人＿
＞ そんなにもらってません！！ ＜
￣ＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹ￣
（大事なことなので二回言いました）
詳しい数字が言えないのがあれですが、仮に僕のお給料は30万としておきます。じゃあなんで20万も高いレベルの支払いをしてるのか？ということです。
結論を先に言ってしまうと、保険料額算出の元になる月に酷い残業をしてしまったからなんですね。収入が増えたから支払いも保険料も増える。それは当然なのですが、その後残業がなくなって収入が元に戻ったのに保険料だけ戻らないというのにハマりました。
実際にどれくらい違ってくるかというと、、
| 30万 | 50万 | |
| 厚生年金保険料 | 25,149円 | 41,915円 |
| 保険料 | 12,750円 | 21,250円 |
| 合計 | 38,169円 | 63,165円 |
差額：24,996円ですね。これが毎月余計に引かれると、、、
なんか書いてて凹んできたわ。。
ま、こうならないように気をつけましょうという話です。
※念のため、僕は専門家ではありません。自分で調べたり弊社の労務に確認したことのまとめになります。間違い等あるかもしれませんがご了承ください。そして、間違ってたら教えて頂けるとうれしいです。
特に断りがない限り下記前提で話します。
- 給与は月末締め翌日20日払い
- 健康保険は［ITS］関東ITソフトウェア健康保険組合 |
そもそもどうやって決まってるの？
厚生年金保険も健康保険も給与をもとに「標準報酬額」というものを算出します。そして、それを等級に直したものを下記の表に照らし合わせて決まります。
厚生年金保険
健康保険
ITS保険料額一覧表
※長いので途中で切っちゃいました。
標準報酬額の算出方法は？
では、標準報酬額はどの様に決まるのでしょうか？
標準報酬額の算出方法には毎年改定の「定時決定」と、給与変更に伴って改定される「随時改定」の２つがあります。
定時決定
1．概要
被保険者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないように、事業主は、7月1日現在で使用している全被保険者の3か月間（4～6月）の報酬月額を算定基礎届により届出し、厚生労働大臣は、この届出内容に基づき毎年1回、標準報酬月額を決定し直します。これを定時決定といいます。決定し直された標準報酬月額は、9月から翌年8月までの各月に適用されます。
年金について - 定時決定 | 日本年金機構
要するに
- 3月〜5月まで稼働分（4/20、5/20、6/20支給分）の平均額で標準報酬額を決定する。
- 9月から翌年8月まで適用なので、10/20から標準報酬月額が変更され、翌年の9/20支払い分までその標準報酬月額となる。
随時改定
下記条件に当てはまると随時改定されるそうです。
1．手続内容
年金について - 月額変更届の提出 | 日本年金機構
（1）被保険者の報酬が、昇（降）給等の固定的賃金の変動に伴って大幅に変わったときは、毎年1回行う定時決定を待たずに標準報酬月額を見直します。この見直しによる決定を随時改定といい、次の3つの条件を全て満たす場合に行います。
（ア）昇給又は降給等により固定的賃金に変動があった。
（イ）変動月からの3か月間に支給された報酬（残業手当等の非固定的賃金を含む）の平均月額に該当する標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた。
（ウ）3か月とも支払基礎日数が17日以上である。
要するに
- 固定的賃金の変更とは給与の変更（交通費なども含む。住宅手当等も給与に入っていれば。）の事を言う。
- 2等級以上変更の計算の元になる報酬は、固定的賃金の変更があってからの3ヶ月分の支払い給与平均
- 例：7/1に昇給、8/20支給分から昇給した給与とした場合、8/20、9/20、10/20分の3ヶ月給与平均が標準報酬額となる。
※固定的賃金の変更を判断する給与は残業を除く給与であるが、標準報酬額の算出の元になる給与は残業まで含めた額となる。
まとめ
3月、4月、5月と、お給料が変わってからの3ヶ月は、調整可能であればなるべく酷い残業をするのはやめましょう。
